Deception〜私たちの恋の裏にはそれぞれの思惑が渦巻いている〜
ありがとうございますのスタンプを送り、想乃はリビングへ降りた。テレビを見ながらソファーでくつろぐ郷と目が合った。おはようと言う間もなく「やっと起きてきた」と呆れた声で笑われる。
「姉ちゃん、休み取れてよかったね」
郷はリビングに置いたメモ書きをチラッと見やる。昨夜寝る前に想乃が書いたものだ。【明日は仕事休みだから起こさないでね】と弟にあてて書いてある。
日頃からの睡眠不足を少しでも解消しようと思い、想乃は目覚ましをかけずに眠りに就いた。おかげでぐっすりと眠ることができた。
「仕事は休みだけど。あと一時間ちょっとしたら出かけるから」
言いながら冷蔵庫を開けて、ペットボトルに入れた水を出す。
「出かけるってどこに?」
「……うーん。デート……?」
で、いいのだろうか?
本当のところは仕事の打ち合わせだけど、並樹からの依頼は郷には内緒にしなければいけないのだ。
コップに水を注いで口をつけた。
「で、デートって。もしかして慧弥さんと??」
想乃はビクッと肩を震わせ、思わず郷を見た。
「そ、そうだけど。なによ、“慧弥さん”って。郷ってば、なれなれし過ぎじゃない?」
「そんなことないよ」と郷が口を尖らせる。
「僕、慧弥さんとはライン友達だから」
「……はぁ?」
「姉ちゃん、休み取れてよかったね」
郷はリビングに置いたメモ書きをチラッと見やる。昨夜寝る前に想乃が書いたものだ。【明日は仕事休みだから起こさないでね】と弟にあてて書いてある。
日頃からの睡眠不足を少しでも解消しようと思い、想乃は目覚ましをかけずに眠りに就いた。おかげでぐっすりと眠ることができた。
「仕事は休みだけど。あと一時間ちょっとしたら出かけるから」
言いながら冷蔵庫を開けて、ペットボトルに入れた水を出す。
「出かけるってどこに?」
「……うーん。デート……?」
で、いいのだろうか?
本当のところは仕事の打ち合わせだけど、並樹からの依頼は郷には内緒にしなければいけないのだ。
コップに水を注いで口をつけた。
「で、デートって。もしかして慧弥さんと??」
想乃はビクッと肩を震わせ、思わず郷を見た。
「そ、そうだけど。なによ、“慧弥さん”って。郷ってば、なれなれし過ぎじゃない?」
「そんなことないよ」と郷が口を尖らせる。
「僕、慧弥さんとはライン友達だから」
「……はぁ?」