三人が離れてくれませんっ
「あー……まぁほら、紫乃も疲れたろうし。俺らはそろそろ帰ろうか」
おぉ……切り替えるためにも、時間的にも、ナイスタイミング。
さすがいっちゃん。
「はーい」
「……おう」
見送りに玄関まで行けば、靴を履いた三人が振り返る。
「またね紫乃。俺らが出来る範囲では助けるから。何かあれば言ってね」
「ありがと、いっちゃん」
「気が向いたら教室行ったげるね」
「うんありがと、たーちゃん」
「俺が一番近いんだから何かと俺の方が早ぇだろ」
「しゅーちゃんもありがと」
手を振って別れる。
ガチャン、とドアが閉まると、わたしの肩の力がやっと抜けた。
全然違う人と話してるみたいで、本当は落ち着かなかくて。
わかってるけど、もうわたしの知ってる三人じゃないんだ……って思った。