灰を被らないシンデレラ
青い顔で走り去っていく沙里奈を確認し、柊は自分に押し付けていた華奢な体を解放した。
「悪い、苦しかったか?」
憂は首を左右に振り、スマホに文字を入力して見せた。
[警察呼ばなくていいの?]
「あー…後で行くわ」
[なんで後でなの]
「流石にやり過ぎたからな。俺もなんかしらお咎めあるかもしんねえし」
[それなら私も行く]
「お前は家に戻ってろ」
憂は頑なに首を横に振り、絶対に一緒に行くときかない。
「ただでさえ怖いもん見せちまったんだから、家でゆっくり休んでろ」
[別に怖くはなかったけど?]
「は?」
拍子抜けする柊に憂は首を傾げて画面を差し出す。
[そんな事より、柊さんに怪我が無くて良かった]