灰を被らないシンデレラ
ドアの向こうには神聖なチャペル。
そこで自分たちは将来を誓い合う。
けれど憂は決めていた。
神様でも柊でもなく、自分自身に彼への愛を誓おうと。
柊が素敵な場所に連れて行ってくれるというならば、自分は置いていかれないように必死で着いていく。
ガラスの靴を手に入れた自分はもう灰かぶりでは無いから。
どこへだって行けるし、輝ける。
いつか本当の意味で柊の隣に立つために。
ずっと柊に愛してもらえるように。
自信を持って柊に愛していると伝えるために。
強く、美しくなる。
それが自分の愛だ。
バージンロードをゆっくりと進み、2人で並んで祭壇に立った。
美しいステンドグラスから漏れる光に包まれながら、憂は愛しい人との幸せなキスを交わした。
Fin...