今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
〜誠side〜

進路指導の時期に入り、俺は一目置いていた藤崎結と面談に入った。

"第一希望 藤崎建設 秘書"

出された用紙を見て俺は驚愕する。

こんなに才能があるのに?

「藤崎さん。これは?」

「あ、実家が建設会社をしていて。へへ」

そう言って鼻をぽりぽりといじる。

「妹さんに服を作りたかったんだよね?」

「あ、はい! ここに来たおかげで作れるようになりました!」

と満足そうに笑う。
満足しちゃってんのか?

んん!?
でもどこか違和感がある笑顔だ。

「藤崎さん。今年のファッションショーでもグランプリとったけど、どうだった?」

「嬉しかったです! 麗(れい)ちゃんにも褒めてもらえました!」

「麗ちゃん?」

「あ、妹です!」

なるほど。

「ご実家が建設業をなさってるという事だけど、藤崎さんはそれが本当にしたい事なのかな?」

そう言うと、藤崎結はグラっと瞳を揺らしたのを俺は見逃さなかった。

これはもしかして…

「言ってごらん。本当にしたい事」

なんだか昔の自分を見ているようだ。
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