今夜だけのはずが極上の彼に愛されて
「あ! ごめんなさい! 私、蒼翔の姉の紅羽って言います! すぐ帰るから! 本当ごめんね!」
私は蒼翔より先にお風呂場に向かって叫んだ。
「お、お姉さん!?」
「蒼翔! これあげる! 私いらないから! あんたもいらなかったら彼女にでもどうにかしてもらって! じゃーね!」
「ちょっ! おい! 紅羽!」
グイっと蒼翔にブーケを押し付けて呼びかけには応じず私はすぐにマンションから逃げるように飛び出した。
慌てて走ったから、絆創膏が剥がれてしまって靴擦れが痛てぇよー。
えーん。
そしてなんとか痛い足を引きずって、朝から弟の情事を目の当たりにし笑いを堪えながら自分のマンションに帰った。