君との恋は面倒すぎる
「鏡、借りても良い?」


 そう言って勉強デスクの上にある鏡を蒼空くんが取って私の前に差し出し、鏡の中を覗き込むと、首元に星座のネックレスが付いている。もちろんさっきまでネックレスなんてしていなかった。

 ということはつまりこれは蒼空くんからの贈り物。


「え!?」

「こういうのもいいかなって、誕生日5月8日だったよね」


 星座に詳しくないのでデザイン以外に何かあるのかパッと気が付かなかった。何も思いついていない私に、蒼空くんはふと笑って「牡牛座でしょ、その星座になってる」と言ってネックレスに軽く触れる。

 こだわりを持って選んでくれたプレゼントにももちろん驚いたけれど、自分の誕生日を知ってくれていたことにも驚いた。


「そんなとこまで…、というか誕生日知ってたの!?」

「何年の付き合いだと思ってるの。好きになった子の誕生日ぐらいチェックするでしょ」


 プレゼントだけでも嬉しいのに、そこまで考えて選んでいてくれたことが嬉しい。それに、好きな子という言葉が当たり前に聞けることに感動し、思わず涙が出る。

 こんなに嬉しいクリスマスは16年の中でも初めてだ。

 そんな私に少し呆れたような表情をしている。


「泣きすぎ」

「だって…、こんな…」


 泣く私を抱き寄せて、頭をポンポンと撫でてくれた。
 その手も蒼空くんの体温も気持ちもすべて温かい。
< 119 / 266 >

この作品をシェア

pagetop