君との恋は面倒すぎる
「空いてるよ、入る?」

「助かるー、人数あぶれてさ」


 薫くんと澤山くんがそんな会話をし、残りのメンバーが決まった。その次に、近くの机を付けて、リーダーをどうするかとかの話し合いが進んでいく。


「てか、あんま話したこと無いよね。俺、澤山 光」

「あ、七瀬 日和です。こっちの子は、島崎 茉莉ちゃん」


 男子とあまりうまく話せない茉莉ちゃんの代わりに紹介する。

 茉莉ちゃんは、男子の前だと話さなくなってしまい、顔を俯かせてしまう。


「ああ、七瀬って柊の彼女でしょ?」


 澤山くんからパッと出た話に茉莉ちゃんが「えっ」と反応していた。

 茉莉ちゃんに、蒼空くんと付き合っていることを話していなかった。それは、隠していたわけではないけど、変な気も使わせたくなくて、わざわざ言う話でもないのかもと思って黙っていたが、隠していたような状況になってしまい、罪悪感が湧く。

 蒼空くんは、澤山くんの反応にも、特に気にせずスケジュール表を見ていた。

 やりづらくなって、茉莉ちゃんの方へと向く。


「茉莉ちゃん、別に隠していたわけじゃないんだけど、言わなくてごめん」

「ううん、良いの。気にしてない」


 そう笑ってくれる茉莉ちゃんにほんの少し安堵した。

 言ったら気を遣わせるかもなんて思っていたとはいえ、友人なら言っておいた方がよかったのかもしれない。

 さっきから気ばかり遣ってしまっていて、それが良くない方向に空回りしている気がした。
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