君との恋は面倒すぎる
 茉莉ちゃんの顔を見ると蒼空くんの方を向いている。

 守ってもらえたのが意外だったのか、少しだけ目を見開いていて、それでもすぐに私の後ろへ隠れてしまった。

 どうしようかと悩んでいると、茉莉ちゃんは私の腕を遠慮がちに引く。


「茉莉ちゃん?」


 そう問いかけると、こちらを見ている。


「…日和ちゃんはこの人達と組みたいの?」


 その問いにどう返事をするか悩んだ。

 茉莉ちゃんにとっても大事なイベントだと思うけど私にとっても大事。

 少しくらい我儘を言ってみるべきか。

 悩んだけれど、結局正直に話すことにした。


「…うん、組みたい」


 私の返事に茉莉ちゃんは、覚悟を決めたような表情をして頷いてくれた。


「わかった、だけど近くにいてね」

「…!ありがとう、茉莉ちゃん!」


 茉莉ちゃんは少しだけ微笑んで、私のお礼に頷いてくれた。

 蒼空くんを見ると、私にしか分からない程度に笑みを零してくれていてそんな姿にも胸が締め付けられてしまう。


(そういう所、本当に好き…!)


 一緒に修学旅行を過ごせる事実に、一気に気分は上昇した。


「問題はあと一人どうするかだよなあ」

「残ってる子いないのかな」


 そう話していると「ここ空いてる?」と男子の声が聞こえてきた。名前は澤山《さわやま》 光《ひかる》くん。そこそこノリが良くて周りから好かれているイメージがある。髪色は茶髪で身長も高くて、それでいてよく笑っているイメージがあるので爽やかな印象があった。

 だけど私はそんなに話したことがない。
< 142 / 266 >

この作品をシェア

pagetop