君との恋は面倒すぎる
「ちょっとこっちに近付いて。」


そう言われて椅子を寄せると、私のネクタイを緩めて奪っていく。

そして蒼空くんがさっきまで付けていた、“Sora Hiiragi”と裏に綴られたネクタイを私の首にかけて丁寧に結んでくれる。

何、このご褒美的展開。

少しだけ顔が近くてドキドキしてしまう。


「後1年しか無いけど大事に付けてきて。」

「…夏のクールビズでも付ける…。」

「夏のネクタイは地獄だから止めとけば?」


呆れるように笑って“Hiyori Nanase”と綴られたネクタイを私の手に持たせる。


「俺がやったみたいに付けて。」

「え、人につけるの上手く出来るかな…。」


そんなのしたこと無いから少し緊張する。
< 297 / 379 >

この作品をシェア

pagetop