この恋、延長可能ですか?
「じつは、好きな人がいるんですけど……」
《(省略)当方恥ずかしながら今まで恋愛経験というものがほとんど未経験の為、失礼を承知で申し上げますと、本件を通して私に手解きをして下さると嬉しく存じます》
打ちながら超長文と化した自覚はある。けれど、時間がある時に読んでもらえばいいし、まあいっか。
返信には時間がかかることを予想していれば、まさかの秒レスだった。ミツさんは、速読のスキルも持っているらしい。
《じゃあその人との予行デートと仮定して、食事も挟んでみる?》
食事……!?
会話だけでいっぱいいっぱいなのに、急に食事なんてステップアップしていいの……!?
誰かに相談したいけれど誰もいないので、脳内の自分に語りかける。
『日和、勢いは大事!チャンスはものにしなきゃ!』
脳内の天使が囁く。
《ぜひ!》
変わるんだ……!
その時、ふと雨宮くんの顔が過ぎった。あの憎らしそうな顔だ。
職場の後輩にまで舐められてばかりじゃイヤ。片倉さんや伊達ちゃんみたいに、嫌なことは嫌だって、ビシッと言ってやるんだ……!
《お酒は飲める?》
《たしなんでおります》
《俺、焼酎以外ならいける》
わたし、焼酎が好きなんだよなあ……
《焼酎ね。じゃあこっちでお酒が美味しいレストランいくつかピックアップしておくね》
画面に現れた文字に、えっと声を出す。口に出した言葉をうっかり文字にしたらしい。粗相をした手をパチンと叩く。脳の回線と指を動かす神経を遮断させなければ。
その後家のベッドの中でも何度かやりとりを繰り返していくうちに、日程も決まっていた。スケジュール帳に" デート "の印が押され、胸が高鳴った。
《お忙しい中、ありがとうございました。短い間ではありますが、引き続き当日まで宜しくお願い致します》
《了解》
浮かび上がる文字を追いかけるように《あと》接続詞が追加された。
《本当に大丈夫なの?》
心配してくれている。これだけで、疑似恋愛に陥りそうだ。
《大丈夫です!女に二言はないです!》
《わかった。じゃあ、俺も気合い入れてデートするね笑》
気合い入れてって、なんだろ。
長々とメールのやり取りをしたおかげで、すっかり日付を跨いでいた。ベッドに沈んだこころもいつの間にか軽くなっていた。
《(省略)当方恥ずかしながら今まで恋愛経験というものがほとんど未経験の為、失礼を承知で申し上げますと、本件を通して私に手解きをして下さると嬉しく存じます》
打ちながら超長文と化した自覚はある。けれど、時間がある時に読んでもらえばいいし、まあいっか。
返信には時間がかかることを予想していれば、まさかの秒レスだった。ミツさんは、速読のスキルも持っているらしい。
《じゃあその人との予行デートと仮定して、食事も挟んでみる?》
食事……!?
会話だけでいっぱいいっぱいなのに、急に食事なんてステップアップしていいの……!?
誰かに相談したいけれど誰もいないので、脳内の自分に語りかける。
『日和、勢いは大事!チャンスはものにしなきゃ!』
脳内の天使が囁く。
《ぜひ!》
変わるんだ……!
その時、ふと雨宮くんの顔が過ぎった。あの憎らしそうな顔だ。
職場の後輩にまで舐められてばかりじゃイヤ。片倉さんや伊達ちゃんみたいに、嫌なことは嫌だって、ビシッと言ってやるんだ……!
《お酒は飲める?》
《たしなんでおります》
《俺、焼酎以外ならいける》
わたし、焼酎が好きなんだよなあ……
《焼酎ね。じゃあこっちでお酒が美味しいレストランいくつかピックアップしておくね》
画面に現れた文字に、えっと声を出す。口に出した言葉をうっかり文字にしたらしい。粗相をした手をパチンと叩く。脳の回線と指を動かす神経を遮断させなければ。
その後家のベッドの中でも何度かやりとりを繰り返していくうちに、日程も決まっていた。スケジュール帳に" デート "の印が押され、胸が高鳴った。
《お忙しい中、ありがとうございました。短い間ではありますが、引き続き当日まで宜しくお願い致します》
《了解》
浮かび上がる文字を追いかけるように《あと》接続詞が追加された。
《本当に大丈夫なの?》
心配してくれている。これだけで、疑似恋愛に陥りそうだ。
《大丈夫です!女に二言はないです!》
《わかった。じゃあ、俺も気合い入れてデートするね笑》
気合い入れてって、なんだろ。
長々とメールのやり取りをしたおかげで、すっかり日付を跨いでいた。ベッドに沈んだこころもいつの間にか軽くなっていた。