Dearest 1st 〜Dream〜
──高校生から、
俺と紅のメンバーは幾度となくチカに振り回されまくっていた。
“お互い友達からゆっくり始めよう”
そう言われ、付き合い始めた翌日から──…
俺がただ普通に女友達と喋っているだけで、クラスメートを巻き込む大喧嘩を巻き起こしたチカ。
更に紅メンバー全員で楽しみにしていた出演ライブには女の子の客一切禁止。
俺と連絡が付かないと、すぐにメンバー全員に連絡をして、逐一俺の行動を監視された事もあった。
一時期は俺のケータイを勝手に見て、ブチギレし出したあげく女の名前を全消去。
もちろん、怪しまれるような行動なんかしていない。
なのにそのままケータイを折られた時は、本気で落ち込んだ。
──…そんなチカの性格に、最初は我慢していたものの……
自分が受ける被害はまだ我慢出来るにしろ、
メンバーやクラスメート達を巻き込む被害は我慢出来ない。
───…だからいつしか俺はチカに何も言わなくなった。
──“俺さえ黙っていればいいだけのこと”──
自分にそう暗示をかけて以来、問題はなかった。
チカの性格を知っているからこそ、俺は今まで現状維持を貫いていた。
──…でも……。
俺は、今。
遅かれ早かれ、
初めてこの現状から抜け出したいと思っている。