Dearest 1st 〜Dream〜
「高山さん、行っちゃいましたね。
あたし達も帰りましょっか♪」
チヒロがお開きの声を出し、みんながぞろぞろと部室を出ていった。
「お疲れ様です、朝岡さん♪」
「おー、またな♪」
……一人になった部室の窓から、外を見た。
そこには、ぶんが歩いて行くのが見えた。
「………」
今から彩に会いに行くぶんが羨ましい。
素直に、そう思う。
……そう思うくらいなら、素直になれればいいのに。
どうしようもなく、
居ても立ってもいられなくなった俺は…。
「───ぶん!」
──…そう大声で叫んでいた。