Dearest 1st 〜Dream〜
「…うん、分かった。
じゃあまた後で…」
ぶんが電話を切り、俺は待ちきれなくなって問い掛けた。
「彩、何て?」
「それが、あれから風邪引いたみたいで一週間学校休んでるみたいなんですよ。」
「……風邪……」
一週間も……。
たまらなく心配になって、俺も見舞いに行こうかと考える。
──けれど。
「…ちょっと俺心配だから見舞い行ってきますね」
ぶんがそう言い放ち、みんなが笑顔で頷いた。
「……あぁ…うん…」
雰囲気的に、
「一緒に行く」
とはどうしても言えず…
「じゃ、お先に」
「…………」
───そう言って彩に会いに行くぶんの背中を見送った。