高貴な財閥夫婦の秘密
四人の豪邸。

玄関のドアが開き、美奈が帰り着く。
すると、パタパタ…と梨良が出てきた。

「あ!美奈さん!おかえりなさ………え…!?」

美奈の後ろから、長島達瀬戸川家の使用人が入ってきた。

「え?え?
長島さん!?
ど、どうして……!?」

「お嬢様、失礼致します」
丁寧に梨良に頭を下げた、長島。

ズカズカと、奥に向かう。
そして、梨良の最低限の私物を段ボールに詰めていく。

「何するの!?
やめて!!」

掴みかかる梨良を、優しく止める長島。
「お嬢様、落ち着いてください。
理由はちゃんとお話しますので。
とりあえず、ご実家に帰りますよ」

「え!?
い、嫌!!
知く……あ、那留くんと離れたくない!!」

「お嬢様、大丈夫です。
那留様も一緒ですからね。
とにかく、落ち着いてください。
体調を崩してしまいます……!」

「え?え?どうゆうこと…!?
やめてよ!!
那留くんと結婚したら、自由にさせてくれるって言ったじゃない!!
どうして!?
どうして、こんな酷いのことするの!?」

梨良は、パニックになっていた。

美奈はその痛いような光景を、ただ…項垂れたように見つめていた。

「酷いのは!!!
………美奈さんです……!」

そんな梨良に、長島が切なく言い放つ。

「え……」

「とにかくお嬢様、参りましょう。
旦那様が待ってます。
お願いします。
ここは落ち着いて、旦那様の言うことを聞いてください…!」

長島に諭されるように梨良は大人しくなり、長島に連れられ車に乗り込んだ。


取り残されたような美奈。

そんな美奈に、荷物を持って出ていく使用人の一人が言った。
「那留様と知嗣さんが帰られたら、伝えてください。
“梨良お嬢様は実家に帰った”と。
おそらく“そう伝えるだけで”お二人は瀬戸川邸に乗り込んで来られると思いますので……」

そう言って頭を下げ、出ていった。

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