The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
更に、その後。

俺はもう一つの頼み事をした。

「ルーシッド殿、実は…もう一つ頼みたいことがあるのですが…」

「何ですか?何でも言ってください」

「俺を…帝都に、連れていってはくれませんか」

「帝都に…?」

俺は深く頷いた。

どうしても、ルティス帝国の帝都に行きたいのだ。

用件は二つ。

「五分でも時間を割いて頂けるなら、帝国騎士団の団長殿にご挨拶をしたいと…」

ルーシッド殿で役不足、という訳ではない。

見たところ今回の件について、帝国騎士団側の代表はルーシッド殿が任されてるようだが。

でも、俺達不法入国者を迎え入れてくれている帝国騎士団長殿には、また別に挨拶をしたい。

と言うか、一度も彼に頭を下げずにこの国に滞在させてもらうのは、あまりに図々しいというもの。

故に、挨拶をさせてもらいたい。

「分かりました。手配しておきます」

「ありがとうございます」

それと…用件はもう一つ。

彼らに…今一度、協力を申し出るつもりだ。

すると。

「あの…私も、連れていってはくれませんか」

振り返ると、セトナ様が戸口に立っていた。

いつの間に。

「セトナ様…」

「お願いします。私も連れていってください」

…そう、だな。

セトナ様は、ある意味で俺以上に…その資格がある人だ。

「俺からもお願いします。彼女も一緒に…」

「?分かりました…。では、そのように」

有り難いことに、ルーシッド殿は深く探ってくることはなかった。

とはいえ…ルーシッド殿にも、彼女のことは話さねばなるまいな。

セトナ様は…この革命の、要とも言える存在なのだから。
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