The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
ミルミルに言われたことを、私は忘れられなかった。

どうするのが正しいのかは分かっている。

今すぐ…この家を出て、『青薔薇解放戦線』に戻るのだ。

今の私には…到底、出来そうもなかった。

「…」

…私は、なんて卑怯な女だろう。

この期に及んで、まだルヴィアさんの傍にいたいなんて…。

思考の波に呑まれそうになった、そのとき。

室内にインターホンの音が鳴って、飛び上がりそうなほどに驚いた。

「…？」

のろのろと立ち上がり、ドアホンに取り付けられたカメラのモニターを覗いた。

そこには、見知らぬ人が立っていた。

宅配業者…という訳ではなさそうだが。

「あの…どちら様ですか？」

通話ボタンを押して、玄関先で待っている訪問者に尋ねる。

すると。

『私は…『青薔薇連合会』の者です。上司から伝言を預かっていて…』

焦ったような声で、彼はそう言った。

それを聞いたとき、私は心臓がばくばくと鳴り始めた。

『青薔薇連合会』ということは…ルヴィアさんの同僚だ。

その同僚が、わざわざここを訪ねてくるなんて。

まさか、ルヴィアさんの身に何か…？

私は急いで、玄関に走った。

それが迂闊で、軽率な判断だと気づかずに。
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