The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
一瞬にして、場の空気が凍りついた。

ルアリスもルーシッドも、間抜け顔でぽかんとしている。

ルルシーだけが、はぁ…と天を仰いでいた。

「二人して、センスの欠片もない格好してますよね」

俺だったら、そんな格好で外に出ろと言われたら、裸でいた方がましだ。

「せ、センスがないと言われても…その…俺が着ているのは、帝国騎士団の制服で…」

憐れなルーシッドが、そう抗弁した。

そういえばそんな制服だったね。帝国騎士団は。

誰もが憧れる帝国騎士団の真っ白な制服。しかし、今思えば…キングオブダサい制服だ。

「帝国騎士団の制服は、まず全部真っ黒に染めるところから始めた方が良いと思いますけどね。オルタンスに言っておいてください。制服は全部黒くしろと」

「は、はぁ…」

白いから、余計にダサさが際立つのだ。

やっぱり黒だよな。黒い服最高。

「まぁ百万歩譲って、ルーシッドはしょうがないですよ…。帝国騎士団にいる限り、どんなに嫌だろうと、その糞ダサ制服を着なきゃいけませんからね」

帝国騎士にとっては、それが礼装なのだから。

俺も昔着てた。雑巾にでもしてやれば良い。白いし。

「…で、問題はあなたですよ」

「え、お…俺ですか」

「他に誰がいるんです」

問題は、こっちのルアリスである。
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