The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
こいつの着てる服といったら、何処でこんなダサいの見つけてくるの?と逆に聞きたくなるくらいレベルの高いダサさだ。

いっそ才能だな。

「見てると鳥肌立つんですけど。着替えてもらえません?」

「と…言われましても…」

何もじもじしてんだ。男の癖に。気色悪い。

すると。

「ルレイア…あのな、言わせてもらうが…。俺とルアリス、服のデザインはあんまり変わらないぞ」

ルルシーが、容赦してやれと言わんばかりにルアリスを擁護する。

だが、それは検討違いだ、ルルシーよ。

「ルルシーは良いんですよ…顔が俺の好みど真ん中だから」

「…」

「でもルアリスさんは違います。顔がいまいちの上に着てるものまでダサいと来たら、救いようがないですよね」

「…」

ルアリスは、自分の着ている服を見下ろした。

これ、そんなにダサいのか…と考えているようだ。

悪いが、そんなにダサいんだよ。

「その…済みません」

何を謝ってんだ。

「謝らなくて良いんで、もう少しましな服着てくれませんかねぇ」

「はぁ…でも…革命に、着ているものなんて関係ないのでは…?」

…今の聞いたか。おい。

革命に着物は関係ないだと?

こんなお粗末な考えで、革命云々言ってるのか?このガキは。

「これだから若造は…。はぁ、呆れ果てて物が言えませんね」

「え…」

こんなことさえ一から説明してやらなければならないとは。

全く以て嘆かわしい。

「良いですか、ルアリスさん…。革命軍のリーダーたるあなたは、人の上に立つ人間です。そして上に立つ人間は、身だしなみ、服装、全て部下に見られてるんです。上に立つあなたが、ダサさ極まるえげつない格好をしていたら…あなたに付き従う部下は、どう思うでしょうね?」

「…!それは…」

「誰だって、ダサい服着てる上司より、格好良い服着てる上司についていきたいに決まってるでしょう。良いリーダーの条件は、格好良い服装から。常識ですよこれは」

「…成程…」

この時点で、ルルシーが横で「自分に言ってるのか…?」と呟いていた。

何を言っているのだ、ルルシーは。

俺はいつでも素晴らしく格好良い服を着て、部下に示しをつけているだろう?

「とはいえ…箱庭帝国では、常に憲兵局の決めた国民服を着せられていたもので…。ルティス帝国風のファッションにはとても疎くて…」

「…ふーん」

そういえば、箱庭帝国って…国民は全て同じ服を着せられてるんだっけ。

考えれば考えるほど、最低の国だよな。

俺だったら、毎日そんなダサい国民服しか着ることが出来ないなら…舌噛んで死ぬな。

「仕方ありませんねぇ。ここはルティス帝国のファッションリーダーたる俺が、直々に手解きしてあげましょう」

「…はい?」

「出血大サービスですよ。感謝してください」

「…」

息抜きにもなるし、ルアリスにゴスロリ教の布教も出来る。

一石二鳥ではないか。
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