The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
…プリクラの中って。

…こうなってたんだなぁ。

めちゃくちゃ明るい…。白いライトが眩しい。

「さぁて、じゃあルルシー、フレームはどうします?」

「フレーム…?」

って、何?

まず普通にノーマルな写真撮って、それにごてごて飾り付けするんじゃないの?

「あ、ハートのフレームがある~。じゃハートにしましょう。二枚目もハート、三枚目はこの赤い糸の奴…」

何それ?そんなのあるの?

赤い糸って?

「肌の色は美白…、目の大きさは普通、っと」

肌の色まで決められるの?

目の大きさまで?それって最早別人では?

「ルルシー、髪色はどうします?」

「…普通で…」

それ、もう原型留めてないじゃん。

この様子じゃ、いつか「人種を選択してください」とかになるな。

「じゃ、撮りましょうか~。ポーズ決めてくださいね」

「ポーズって何すんの…?」

直立不動で撮るつもりだったのだが?

「ほら、あの画面の女の子を真似て…」

「え?良い歳してあんなポーズ…」

「プリクラ撮ってるのに何照れてるんですか。こういうのは、なりきらなきゃ駄目ですよ。はいポーズ」

「え、ちょ」

ルレイアはカメラに向かってパチッ、とウインク。

何その決め顔。

俺も何かポーズ撮った方が良いのか、と言うかカメラのレンズは何処なんだ…と視線をさまよわせていると。

機械が勝手に、3、2、1、とカウントを始めてしまって。

挙動不審で狼狽えているところを、ぱしゃっ、と撮られた。

…容赦ないな。この機械。

「はい次ですよ~。ハートを作って…」

「ハートって…おま、」

「ほらルルシー、カメラ見ないと」

「え、あ」

二枚目も、狼狽えているところを撮られた。

…ちょっと猶予くれないかな。

そんな調子で、俺はいまいちまともにポーズも決められないまま、恥ずかしがってるうちに撮影が終了してしまった。
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