The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
俺が再度ルリシヤをプッシュすると、アシュトーリアさんは少し意外な顔をしていた。

「随分と、この子を気に入ってるのね」

「気に入ってるというのもありますけど…。どうやら彼は、幹部になることが目的のようですから。どうせ幹部になるまでは諦めちゃくれませんよ。だったら最初から上げておいた方が良い」

変な気を起こさないうちにな。

「それに、実力は充分ありますしね~。良い人材を腐らせておくのは勿体ないですよ」

俺みたいにね。

こんなに強いのに一般構成員だったら、他の構成員からの嫉妬ややっかみもあるだろうし。

「成程ね~…。じゃあ、幹部にしてあげましょうか」

アシュトーリアさんは、今晩のおかずはハンバーグに決まりね、みたいな軽いノリで。

ルリシヤを幹部として登用することを決めた。

さすが。マフィアの首領ともなれば、そうでなくては。

「アシュトーリアさん…。またそんなことを軽く決めて…」

ルルシーはそう言って呆れていたものの。

アシュトーリアさんは、涼しい顔であった。

「まぁまぁ、良いじゃないルルシー。家族が増えるのは嬉しいことだわ」

と言うより、呑気なんだろうな。俺と一緒。

ルリシヤに害がないこと、分かっているのだろう。

「そんな訳だから、あなたを幹部として、『青薔薇連合会』に歓迎するわ」

「ありがとうございます」

ルリシヤは、安堵の表情で頭を下げた。

仮面外せば良いのに。折角綺麗な顔なんだから。

いや、待てよ。俺とキャラ被るから仮面は不可欠。

「とはいえ、しばらくはルレイアの下についてもらうわ。一応幹部ではあるけど…幹部見習いってところね。ルレイア、面倒見てあげてくれる?」

「仕方ないですねぇ。ルレイア流で良いのなら」

「お願いね」

俺がマフィアの幹部としての心構えを教えてやろうじゃないか。手取り足取り…な。

心配要らない。俺はルアリスを教育して、立派な革命軍のリーダーに仕立てあげた名教師だから。

「ルルシーも手伝ってあげてちょうだいね」

「分かりました」

ルルシーは即答で了承した。さては、アシュトーリアさんに頼まれなければ、自分から立候補するつもりだったな?

全くもう。俺だけでは教育係として不安だと?失礼な~。

そんなに目くじら立てて監視しなくても、ルリシヤは無害だよ。
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