The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
俺の認識としては、フューニャの帰郷は二、三ヶ月に及ぶものだと思っていた。

里帰りにしては長いが、何と行っても数年ぶりの帰郷だし、仲間達と積もる話も山ほどあるだろうし。

祖国に戻って、見たいものや行きたいところ、たくさんあるだろうし。

解放された祖国で、自由を満喫したいだろうと思って。

二、三ヶ月じゃ足りないかもしれない。

いくら友達が家に泊めてくれるといっても、三ヶ月も泊まられちゃ迷惑だろう。

ならやっぱりホテルがあると助かるのだが。

宿泊費は膨大なものになるだろうが、次にフューニャが里帰り出来るのはいつになるか分からない。

もしかしたら、何年も先になるかもしれない。

それに彼女の生い立ちから考えても、故郷には特別な思いがあるはず。

俺には想像もつかないような、複雑なものがあるはずなのだ。

祖国に戻って、生まれ故郷の土を踏んで、仲間や友達に会って、過去に折り合いをつける。

その為の必要経費だと思えば、安いものだ。

しかし、フューニャはそうは思っていなかったようで。

「何ヶ月も…何するんですか?」

「何って…。フューニャは何週間くらい戻るつもりだったんだ?」

そんな短くて良いの?

「私は…二、三日帰れたらそれで良いかと…」

「…二、三日って…」

何だそれは。

国内旅行じゃないんだから。

それじゃ、行ってすぐ帰ることになるじゃないか。

折角の帰郷のチャンスが、ただの慌ただしい旅行で終わってしまう。

「三日くらいじゃ、何も出来ないじゃないか。せめて一ヶ月は行っておいで」

「でも…そんなに長く家を空けるなんて…」

「?何がそんなに心配なんだ?」

フューニャが躊躇っている理由が分からない。

「だって…。お金もたくさんかかりますし…」

「そりゃ、そこそこかかるけど…」

「…それに、ルヴィアさんを放ったらかしにして行くことになりますから」

「…」

…俺、もしかしてあれか。

一人じゃ何も出来ない、小学生か何かだと思われてる?

フューニャにとっては、俺は手のかかる小学生なのかもしれない。

成程。今度から、もっと家事手伝うことにしよう。

「あのな、フューニャ…。そんな心配しなくて良いから」

俺はフューニャの心配を、一つ一つ潰していくことにした。

「お金は確かに結構かかるけど、心配しなくて良い。それくらいは払えるくらいの給料もらってるから」

『青薔薇連合会』準幹部の財力を侮るなかれ。

ルティス帝国では、文句なく高級取りと言われるくらいにはもらってるから。

マフィアだから、勿論綺麗なお金ではないが。

でも、金は金だし。

使わずに腐らせるよりは、必要なときに使っておいた方が良い。

大体フューニャの帰郷の為だと思えば、無駄な散財だとは思えない。

必要経費だ。

「それと、俺…一人でも、一通りの家事くらいは出来るから」

さすがにフューニャ水準では出来ないから、一般的な一人暮らし男性の水準の家事くらいは。

…そもそも俺、フューニャと出会う前は一人で暮らしてた訳だからな?

「心配しなくて大丈夫。安心して言っておいで」

「でも…ルヴィアさん、私がいなかったら、いい加減なものばかり食べるじゃないですか。お腹出して寝るし…。お風呂のカビは平気で放置するし…。空き缶はうっかりゴミに出すのを忘れて、山積みにしてしまうでしょう?」

「ぐっ…」

そ、それは…言い訳のしようもないが。

あぁ、なんて不甲斐ないんだ、俺は。

せめてフューニャが安心して家を空けられるくらいには、家事をマスターしておくべきだった。
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