The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

「我らのリーダーからの伝言だ。『青薔薇解放戦線』に協力して欲しい、とな」

「…」

…やはり、そうか。

まぁ、そうだろうとは思っていたが…。

何故俺達が、こんな厄介に巻き込まれなければならないのか。

自分の国のことは、自分の国の中で蹴りをつければ良いものを。

革命を起こすという手段そのものを否定するつもりはない。

むしろ、ヴァルタ達には同情の念を覚えているくらいだ。

だって、彼女達はあの箱庭帝国の出身なのだから。

あの閉鎖された国で、奴隷のように惨めに一生を終えなければならない身になれば…そりゃ革命を起こそうという気にもなるだろう。

その点ではカセイにも同情していた。あんな国にいれば、マフィアに入ろうとか、革命を起こそうとかいう気持ちになるのも理解出来る。

大変だよなぁ、あの国の人達は。

素直にそう思う。確かに思う。

けれども俺がそう思うのは、あくまでそれが、対岸の火事に過ぎないからだ。

俺達は関係ないからだ。

俺達は他人事でいられるからだ。

これが他人事ではなく、俺達まであの国のいざこざに巻き込まれるとなると…話は違ってくる。

迷惑なんてもんじゃないぞ。

何が嬉しくて、あんな頭のおかしい人間と関わらなきゃならないのか。

だって、考えてみろ。

箱庭帝国を統治している、確か憲兵局とか言ったか…。あいつらの頭のトチ狂っていることと言ったら。

あのオルタンスを越えるほどのクレイジーぶりなんだろう？

あれでオルタンスは、一応自国の民を守ろうという気はあるからな。

しかし憲兵局は、自分の国の国民を守ろうなんて気持ちはさらさらない。

自分の保身のことしか頭にない奴らだと言うではないか。

そんな頭のおかしい人間と、何でわざわざ関り合いにならなきゃいけない。

革命を起こしたいという、その気持ちは理解出来る。俺だってもし箱庭帝国出身だったら、同じことを考えていたかもしれない。

しかし。

「俺達にとっては、他人事でしかない」

冷たいと、言いたいなら言えば良い。

『青薔薇連合会』はマフィアだ。そしてマフィアは、慈善事業家じゃない。