The previous night of the world revolution3〜L.D.〜

俺はこれからも、化学兵器を使うつもりだった。

こんな万能な兵器を、使わない手はない。

俺は「彼ら」に提案した。もっとたくさん化学兵器を造って、『青薔薇連合会』を壊滅させてやろうと。

しかし、そう上手くはいかなかった。

化学兵器は量産することが非常に困難だったからだ。

今でさえ、小さな町工場を二つ三つほど買収して、密かに細々と造るので限界だというのに。

化学兵器の生産工場をもっと大きくすれば、敵に見つかる可能性が高まると言うのだ。

俺は不満だった。もっとたくさん造ることが出来れば、早く戦いを終わらせられるのに。

大体、戦争を長引かせれば、見つかる危険は余計高まるだろう。

だったら、見つかるのを覚悟で大きな工場を買収して、短期間で大量に造った方が良い。

しかし「彼ら」はその意見にも首を振った。

というのも、いくら工場が大きくても、化学兵器を造る為の原材料が足りないと言うのだ。

俺達が造っている毒ガスは、いくつかの指定薬物が使われていて、それを購入する為には面倒な手続きが必要なのだとか。

しかも、限られた人間にしか販売してはもらえない。

つまり、一度に大量に購入することが出来ないのだ。

そんなことをすれば、すぐに足がついてしまう。

結局、今まで通り細々と造るしかないと言うのだ。

金に物を言わせても、今よりほんの少し多めに量産することしか出来ない。それが限界だった。

仕方なく、俺は新たに三つほど小さな町工場を買収して、そこでもちまちまと化学兵器を造らせることにした。

でも、こんなのでは全然増えない。