The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「…は?『青薔薇連合会』に動きがない?」

「はい…。『彼ら』の報告によると…ここ二週間ほど、『青薔薇連合会』は我々を無視して、通常業務に戻っていると…」

「…?」

何で、そんなことになる?

敵組織との戦争の真っ最中なんだぞ?

俺達はこうしている間にも、次の化学兵器を造っているんだぞ?

止めたいんじゃないのか?すぐにでも俺達の居場所を見つけ出したいんじゃないのか?

まさか、もう戦争が終わったとでも思ってるのか?

ついこの間まで、あんなに焦って、血眼になって右往左往してたじゃないか。

何でいきなり、何事もなかったように俺達を無視するんだ?

もう、興味関心がなくなったとでも?

そんな馬鹿な。

戦争は終わっちゃいないんだぞ。何で俺達を野放しにする。

まさか、勝つことを諦めたのか?

一体、何を考えている。

「どうしましょう、グリーシュさん…。敵は、何を考えてるんでしょうか」

「…」

不安そうな顔をした部下に、俺は返す言葉を見つけられなかった。

…そんなの、俺が知りたいくらいなのだ。

こんなとき、あいつがいれば…すぐに気の利いた言葉を思い付いただろうに。

そんなことをふと思って、俺は慌てて頭を振った。

あいつがいないから何だって言うんだ。あんな奴。

あいつがいなくても、俺がちゃんと『セント・ニュクス』をまとめてみせる。

『青薔薇連合会』が、何を考えているのか、だったな。

このタイミングで、いきなり俺達を無視する。

何故、そんなことをする?
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