The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
列車を乗り継ぎ、アイズが見つけてくれた住所地に辿り着く。

そこは、寂れた廃工場だった。

「ここが『愛国清上会』の…」

ふーん。意外と普通だな。

ま、普通に見えるようにカモフラージュしてるんだろうけど。

「…よし。それじゃまずは、周囲の警戒と包囲を…」

ルーシッドがそう言いかけたが、俺は無視してすたすたと歩き出した。

んな悠長なことしてられるか。

俺は廃工場の入り口に嵌められた南京錠をぶち壊し、正面入り口を蹴り飛ばす。

「お邪魔しまーす、襲撃しに来ましたー」

挨拶もちゃんとする。大人の鑑だな、俺は。

「ちょ、ちょっと…!そんな真正面から!」

「あぁん?ちゃんとノックして入ったじゃないですか。何の文句があるんです?」

「…ノックなんて、いつしたんですか?」

俺はルーシッドを無視して、さっさと中に入った。

正面突破だ正面突破。

「…ああいう奴なんだ。済まんな」

絶句するルーシッドに、ルルシーがフォローを入れる。

「ルルシー!俺先に行っちゃいますよ?」

「待て。俺も行くから。一人で突っ走るんじゃない」

わーい。ルルシーも一緒。

更に、もう一人。

「俺も連れていってくれ。足手まといにはならないから」

ルリシヤから直々の依頼である。

「構いませんよ。あなたの実力なら、俺にもついてこられるでしょうからね」

前線メンバーは、これで決定。

まぁ大体いつもと一緒だ。

そして、それを心得ているアイズは。

「さてと…。それじゃ私達は周囲を固めて、ルレイア達が撃ち漏らした敵を掃討しようか。アリューシャ、シュノ、手伝ってもらえる?」

「あいよー!」

「分かったわ」

もう慣れたものである。

で、問題は帝国騎士団側。

「…さて、俺達はどうしよう?」

「…俺達も半分に分かれるか?ルレイア達だけに前線押し付ける訳にはいかんだろ」

別に押し付けてくれても良いけど。邪魔だし。

まぁでも、俺達だけにやらせて自分達は高みの見物なんてされたら、殺意が芽生えるので。

それなりに働いてもらわなきゃ困る。

「来るのは良いですけど、足手まといは来ないでくださいね。うっかり殺しそうになるので」

前線で頼りない味方がちょろちょろしてると、斬り殺したくなるのだ。

「そうか。なら、順当に俺とルシェが前線に行こう。アドルファスとルーシッドは後方を守ってくれ」

と、オルタンス。

「…良いのかよ?」

「何が?だって俺は折角だからルレイアと前線に立ちたい」

「いや、お前の希望はどうでも良いけど…。ルシェを連れてって良いのか」

アドルファス一体何言ってんだろうと思ったが、そういえば。

ルシェって、昔俺の姉だったんだ。

今思い出したよ。

いつぞやの土下座画像も、もう面白くなくなったから消去しちゃってたし、完全に忘れてた。

俺はルシェが来ても構わないが、ルシェの方が勝手に俺を意識してもやもやするんだったら、来ないでくれ。

邪魔。

しかし、ルシェは。

「別に構わない。気を遣わなくて結構だ」

「…良いのかよ」

「あぁ。足手まといにはならない」

そりゃ何より。

まぁ、ルシェの実力なら俺の足手まといにはならないだろ。多分。

「それから、準幹部組は今だけ私とシュノの指揮下に入ってもらう。良いね?」

「分かりました」

ルヴィアさん達も後方支援だろうな。

前線は俺達が完璧に押さえるから、大した仕事はないと思うが…一応な。

さて、メンバーが決まったことだし。

「んじゃ行きますか!ルルシーと遠足デート!」

「…物騒な遠足だな…」

ルルシーのその呟きが、開戦ののろしであった。
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