The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
─────…そんなことだろうと思ったよ。

MVPは、やっぱり俺がいただきだな。

「凄いな、ルレイア先輩。先輩の作戦通りだ」

「うっふふー。でしょ?ルアリスとの『友情』のお陰ですね~」

「…脅迫してた癖に…」

ルルシー酷い。脅迫じゃないもん。

ちゃんと友情に基づいて、好意で動いてもらっただけだもん。

決してルアリスの弱味を突いて、逆らえないよう逃げ道を塞いでからお願いなんてしてないよ?

「お、お前達…。『青薔薇連合会』…!」

「どうもこんにちは。『愛国清上会』の皆さん。初めまして…ではありませんよね?俺は覚えてませんが…あなた方は俺を覚えてるんでしょうね」

「…!」

だからこそ、うざいくらい俺達を狙ったんだろう?

多分、復讐の為に。

「…お前達が、グリーシュをたぶらかした」

ルリシヤは冷たい眼光を向けた。

敵の名前は、えぇと…『セント・ニュクス』の捕虜から聞いたところによると、フライデルさんだっけ?

「ルレイア先輩。こいつらは何者なんだ?あなたはもう知ってるんだろう?」

「えぇ。恐らく…こいつらは、憲兵局の残党でしょう」

一言で言うなら、そんな感じだ。

「憲兵局…?箱庭帝国の?」

「そうそう。俺達がぶっ倒したんですよ、こいつら。『青薔薇解放戦線』っていう革命軍と一緒にね」

あの頃ルリシヤはまだいなかったから、あの革命のことはあまり詳しくないだろうが。

「ルリシヤも前に会ったでしょう?ルアリスっていう箱庭帝国の新しい指導者。あの人俺の友人なんですよ」

「ルアリス…。ルレイア先輩にめちゃくちゃ弄られてた人だな?」

弄ってないよ。可愛がってただけで。

あれが俺なりの愛情表現なんだよ。

「で、その革命のときに倒されたのが憲兵局。ルアリスは元憲兵局員を掃討せずに、生かして帰しましたからね。まず間違いなく残党が出てくると思ってました」

祖国を奪還し、憲兵局を再建する為にな。

でも、まさかその残党が、箱庭帝国ではなくルティス帝国にやって来るとは。

全く、ルアリスと言い、こいつらと言い。箱庭帝国の奴らは自分の国を取り戻すのに、必ずルティス帝国を巻き込まなければ気が済まないらしいな。

何度も言ってるだろ。自分の国のことは、自分の国でやれ。

国内に反政府勢力は見られないと、ルアリスは言っていた。

ルアリスはアホで単純だから、皆改心して新政府に協力してくれてるんだー、と脳内お花畑みたいなことを考えていたんだろうが。

何のことはない。反政府勢力は、ちゃんといたのだ。

憲兵局の残党が。

ただ、国内ではなく国外に逃げてきたというだけのこと。
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