The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
「…それは良いとして、お前。もう俺に心配かけるなよ。しばらくは大人しくしとけ。良いな」

え。ちょっと何それ。

今良い雰囲気だったのに。このままゴールインの流れだと思ったのに。

何で台無しにする方向に?

「そんなこと言ったって~…。ルルシーだって俺に心配かけたじゃないですか」

ルアリスの、革命のとき。

俺がハイパー死神モードになったこと、ルルシーは見てないから分かんないかもしれないけど。

「俺がお前に心配かけることなんて稀だろ。それに比べてお前はしょっちゅうだ。毎月ペースで何かしら起こすだろ」

「それはルルシーが心配性だからですよ」

心配しなくても良いことまで律儀に心配するから。

それなのに。

「駄目だ。大人しくしてろ。俺の身がもたん」

「えー…。でもルルシー、考えてみてくださいよ」

「何を?」

「大人しくしてる俺を。それって…俺じゃないでしょ?」

二人で想像してみる。大人しく、騒ぎも起こさず、良い子にしてるルレイア・ティシェリー。

「…確かに。逆に気持ち悪い」

「ね?そうでしょ?」

「あぁ、済まん。俺が悪かった…。…いや待て、だからって俺に心配かけて良い理由にはならない」

もー。またそんなことばかり言って。

「ルルシーは心配性ですね~。昔も今も変わらず~。でもそんなところが好き~♪」

「歌うな。あと引っ付くなって…。…ったく…お前も相変わらず、変わらないな、ルレイア」

「えへへ。昔の俺の方が好きでした?」

「前にも言ったろ?…今の方が良いよ。ルシファーらしくはないが、ルレイアらしい。今のお前の方が…ずっと『生きてる』感じがする」

「俺もです」

ルシファーなら、きっと何にでもなれただろう。

ルアリスのような、祖国を救う英雄にも。

ルリシヤのような、闇の中を生きる光にも。

でも俺は、ルレイアだから。

俺は俺以外の、何者にもならない。

これが、俺の選んだ道だ。
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