The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
…そして、結婚式の前日。


俺とルルシー、ルリシヤは、ルアリスが手配してくれた箱庭帝国行きの飛行機に乗り込んだ。

するとそこで、意外な人物に会った。




「フューニャ、荷物重くないか?そっちも俺が持つよ」

「平気です。あなた、それ以上持つとサンタクロースになりますよ」

…何だか聞き覚えのある声だなと思って振り向くと。

「…あ、あなたルヴィアさんじゃないですか」

「あ…ルレイアさん。ルルシーさん、ルリシヤさんも」

ルルシーの部下、準幹部のルヴィアさんと。

ぺこりと頭を下げる、ルヴィアさんの愛妻。

「この間、有給申請してきたと思ったら…。お前達も箱庭帝国に行くのか?」

これには、ルルシーも驚いていた。

「はい。ルルシーさん達も招待されたんですね。ルアリスの結婚式」

「あぁ。ルヴィアもか?」

「ほら、嫁がルアリスの友人なので」

あー、成程。それで呼ばれたのか。

じゃあルヴィアさんが招待されたと言うより、ルヴィアさんの嫁が招待されたんだな。

夫婦二人で参列すると。

「何気にフューニャの故郷に行くのは初めてなので、楽しみです」

えへへ、と照れ臭そうに笑うルヴィアさん。

「ルヴィアさんに、私の生まれ故郷を案内してあげるんです」

嫁の方も、えへん、と胸を張り、嬉しそう。

見せつけてくるカップルである。

爆発すれば良いんじゃないかなと思った。

良いなぁ。俺もルルシーとこんな風になりたい。

すると、ルヴィア嫁が、俺に向かってぺこりと頭を下げた。

「あぁ、そうだルレイアさん。先日は気の利いたプレゼントをありがとうございます」

「お、そういえばそうでしたね」

ちょっと良いものを見つけたから、送ったんだった。

「上手く行きましたか?」

「はい。定期的にこっそりご飯に混ぜてます」

「それは良かった」

じゃ、効果は抜群と言ったところだな。

「…!?ルレイアさん?フューニャ?ご飯に何混ぜてるの?」

「おいルレイア、お前俺の部下に何を食わせてる?」

ルルシーとルヴィアさんは何やら青ざめていたが。

「このお礼に、今度『邪魔者』を追い払う呪術人形をプレゼントしますね。私も愛用してるので効果は保証します」

「ありがとうございます。頼りになります」

「フューニャ!?お前、いつの間にルレイアさんとそんなに親しく…ってかご飯に何混ぜてるの!?」

ルヴィアさんはめちゃくちゃ焦っていたが、俺もルヴィアさん嫁も、知らんぷりをしていた。

妻が食事に何を混ぜてるのかなんて、知らない方が身の為だと思うよ。
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