The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
最初に会ったとき、フランベルジュ殿のあまりの若さに、俺は驚きを隠せなかった。

「あなたが…ティターニア卿ですか?」

「いかにも。俺はフランベルジュ・アンフィトルテ・ティターニア。ティターニア家の当主だ」

その頃はほとんど知らなかったが、ティターニア家というのは、ルティス帝国ではベルガモット王家の親戚筋に当たる名家だったのだ。

そんな大物に会っているとは露知らず、俺は生唾を飲み込んで、こちらも名乗った。

「ルアリス・ドール・エーレンフェルトです。…手紙はお読みになられましたよね?」

「あぁ。貴殿も…俺からの返事を読んでくれたことだと思うが」

…ならば、多くを語る必要はないな。

俺が何の為にここに来たのかについては。

「あの手紙は本当ですか」

フランベルジュ殿から送られてきた手紙には、『是非とも革命に協力させて欲しい』と記されていた。

あの手紙を最初に受け取ったとき、俺は自分の目を疑ったものだ。

まさか、承諾されるなど思ってもみなかったから。

嘘や冗談では済まないような内容だ。だからこそ、俺が直々に足を運んだ。

「あぁ。本当だ」

フランベルジュ殿は、ふざけている様子もなく、至極真面目な顔でそう答えた。
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