The previous night of the world revolution3〜L.D.〜
…そして、今に至る。

フランベルジュ殿が助けてくれたから、俺達は帝国騎士団に接触することが出来た。こうして、仲間を連れて国境を越えることも出来た。

彼以上の協力者など、他にはいない。

あの帝国騎士団でさえも。

「それから…フランベルジュ殿、一つ頼みが」

「何だ?」

革命の準備を進めると共に…もう一つ。

やらなければならないことがある。

「『青薔薇解放戦線』のメンバーを十名ほど…帝都に連れていってはくれませんか」

「帝都に?それは構わないが…何か必要なのか?」

「数年前に送り込んだ仲間が、行方不明になっているんです。生きているかは分かりませんが…出来る限りは、捜索したい」

ミルミルが、はっとして顔を上げた。

…出来ればミルミルを行かせてやりたいところだが。

今、彼女に『解放戦線』を離れられては困る。

せめて十名ほどの部下を送り込み、彼女を探させたかった。

「分かった。手配しよう」

「ありがとうございます」

彼女がもし無事なら…『青薔薇解放戦線』に戻ってきてもらいたい。

俺はそのつもりであった。

すると、同席していたフランベルジュ殿の部下が、フランベルジュ殿にそっと耳打ちした。

「フランベルジュ様、あのことを…」

「?…あぁ、そうだ…ルアリス。こちらからも一つ…報告と言うか、知らせておきたいことがあったんだ」

部下に言われて、フランベルジュ殿が何かを思い出したようだった。

…知らせておきたいこと?

「何でしょう?」

「貴殿らがルティス帝国に入ってきたと聞いて、帝国騎士団の隊長が一人…貴殿に会いに来るそうだ」

その知らせを聞いたとき、俺は間抜けにも、ぽかんとしてしまった。
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