レンアイゴッコ(仮)
その後も私の隣をキープし続ける東雲のおかげで、今日の飲み会はとても危なっかしく、平穏に終わりを迎えようとしていた。

居酒屋を出てだらだらと流れ出る同僚たちの集合を待つ。

「東雲さん、お疲れ様です」

と、そこへ、にこにこと朗らかな笑顔を浮かべ東雲へ話しかけるのは別の課の女性社員だ。先程東雲を囲っていた女の子の1人なので覚えていた。

この子は先輩に挨拶して帰路につくのだろうか。礼儀正しい子だ。

「……つかれ」

対して東雲は無愛想すぎる。もう少しにこやかに出来ないのだろうか。

「私たち、このあと飲み直すんですけど、東雲さんも一緒にどうですか?」

「(…………んん?)」

その様子をなんてなく見守っていれば、ただの挨拶では無いことに気付かされる。

「……俺?」

それは東雲も同じらしい。

「はい。さっき、あんまり喋れなかったじゃないですか」

可愛い上目遣いで東雲を誘うその子。

あれ、さっきまで直視できたのに。
全然見れないや。
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