Re:Love〜7年越しに愛されて〜
「…奇遇だな」
声をかけてきたのは井原の方からだった。
その表情があまりにもあの時ーー浮気現場を目撃してしまった時の表情と重なるものだから酷く気分が悪くなった。
此処はどう返すのが正解なのか。
無視するか、そうだねと返すか、お気になさらずどうかデートを続けてと返すべきか。
どれを選ぶにも大して変わりはない上に「どうでもいい」が先行してしまって選べそうもないので適当に「うん」とだけ返事した。
「…てかやっぱり、お前男居たんだな」
「……」
無言で見れば、冷たい目を向ける井原と視線がかち合った。
「人に散々浮気だってケチつけておいてよぉ…自分が浮気してたから人のこと疑ったんだろ」
「はあ?そんなわけ…」
「ならこんな所にいる理由は?その耳のバカ高いピアスは?数日かそこら付き合ったくらいでポンと渡せるような物じゃねえだろ」
「ちょ、晃くん…」
制止する彼女の声も耳に入っていないようだ。
どうしてそれほどまでに怒りを向けられなければならないのか分からないが、君にだけは言われたくないと頭の中で悪態をつきながら息を深く吐く。