Re:Love〜7年越しに愛されて〜
煙草の臭いだろうか、上司の話を聞きながらもなんだか無性に気になって仕方がなかった。
変だなと違和感を感じつつも原因は分からないままで、不思議に思いながら過ごしているうちにあっという間に日は過ぎ金曜日となった。
その日は営業部との定例会議の日で、毎度同じ顔ぶれとなったメンバーで会議を終わらせて同僚達と雑談をしながら会議室を出たところ、近くの給湯室から黄色い声が漏れ聞こえた。
「えっ、妊娠!?」
その声が聞こえた時にはデリケートな話を大声で話すものだなと思ったくらいだったが、次に出た名前に思わず反応してしまった。
「相手って井原さんだよね?結婚するの?」
「そう!来週籍入れるの!」
ドアがオープンになっていたのでチラリと中を見ると、百貨店で会ったあの時の若い女性だった。
「そうなんだ…おめでとう。仕事はどうするの?」
「ひとまずは育休使うつもりだよ」
「あー…まあ使えるものは使っておきたいよね」
いくら営業部員のいるデスクから離れてるとはいえいささか声が大き過ぎるのではと思うのだが。
「.……」
とはいえ自分が出て行って注意するのもおかしな話なので、そのまま見なかった事にした。
それにしても井原は結婚を決めたのか。
彼女が妊娠したとはいえやはりあれほど渋っていた結婚をアッサリと決める程に彼女とは馬が合ったのだろう。