ずっと     好きな人♡♡
朋の場合くびれとか、女性らしいラインがあるからいい。

朋は透けるとか気にする様子もない。

私は恥ずかしくなってきた。

私だけが気にしてるのかもしれない。

なるべくビキニが透けないように、オーバーサイズのラッシュガードに空気を入れるようにして歩いてて。

落ち着かない。

人から見たら案外何でもないかも。

日差しが強い。

黒のラッシュガードを着てる瑠依が羨ましく見えた。

案外筋肉あるんだとか、後ろ姿で盗み見る。

瑠依のシルバーヘアが少し涼しく感じる。

なるべく瑠依の近くに近寄らないようにして。

私の形のイマイチな足とか目に入らないといい。

朋と樹は手を繋いで前を歩き始めた。
腕から体が密着してたりする。

あ、付き合ってるって、ああいう感じなのかも。




瑠依が近づいてきて、隣に並ぶ。

人が多くて避けてたら、手がぶつかった。

「あ、わりぃ」

そう言って瑠依は手を引っ込める。


付き合う前は、発熱した瑠依が手を繋いできたことがあった。

微熱の瑠依に抱きしめられたこともあった。

ふわりとした香水に引き寄せられるようにして……何かその時よりも距離を感じる。

自信なくなる。

付き合ってるって何だかわからなくなる。


朋みたいに美人だったらな。

手もつなぎたくなるのかも。

やっぱり付き合うとか違ったとか、瑠依は思ってるかもしれない。

だから、付き合おうとか言葉もないのかも。

少しでも綺麗になれるように、服とかダイエット研究するしかない。



「あちい〜」

瑠依は独り言のようにつぶやいて、私を見た。

私は慌てて視線を反らす。


「あの、スライダーめっちゃ急だよね」

私はまだ滑ってない一番怖そうなのを指して言った。

急上昇してブーメランという壁を急降下…って書いてあった。

「あれは、ヤバくない?」

瑠依も顔をしかめて言った。

瑠依が人ごみで近寄って歩こうとすると、反射的に私は距離を取ってしまう。

喧嘩してるわけでもないのに。

プールデートって結構初心者には向かないかも。


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