桑谷くんの彼女(偽装)になりました。


「先に言っておくが、俺は女相手でも手加減はしねえ。それでもやるか?」

「はい。もちろんです」


私はその言葉とともに、西園寺さんに向かって駆け出した。

そこから二人の攻防戦が開幕。


物凄い速さで飛んでくる拳を避け、足蹴りを食らわす。

さすが西園寺さん。


路地裏でイキッてるだけのヤンキーどもとは違い、一撃だけでは倒せない。


西園寺さんの足が顔に迫って、私は腕でガードした。

鈍い痛みが腕に走る。


その後すぐにやり返した。


お互いが満足するまで殴ったり殴られたりを繰り返し、同じタイミングで地面に横たわった。


「はあっ、はあっ、はあっ」


視界いっぱいに青空が広がっている。

久しぶりに体を動かした後は、なんだか視界がクリアに見えた。


夏のそよ風が頬を撫でる。

気持ちいい──……。


「お前、意外と強いな」

「そっちこそ」

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