気まぐれヤンキーは、私に夢中。

家、来る?

夏が過ぎ、10月になった。だいぶ気温が下がり、木の葉が色づき始めている。

父子家庭の私は数日前から1人で暮らしている。

というのも、父が長期の海外出張に行っているのだ。

夕方、買い物の帰りに公園を通る。

ベンチの方を見ると、仰向けで寝転がっている人がいる。よく見ると澪川だった。



「澪川?何してるの?」



ベンチの横まで行き、声を掛けた。

話を聞くと、澪川のアパートの近くで1ヶ月の工事が始まったらしい。

大きな音が苦手で家で過ごせないから、とりあえず公園のベンチで横になっていたとのこと。



「私の家で良ければ来る?毎日どこかに泊まるのはお金かかるだろうし」



気付いたら自分の口からそんな言葉が出ていた。

いや、待って…1つ屋根の下、澪川と2人…?

私から提案したものの、全然心の準備ができてなくて焦る。



「…そうする」
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