生意気カノジョは素直になれない!!
「冬休みだし、混んでんだよ」
「うん」
「また来ればいーじゃ!ん今度はちゃんとスマホで予約してさぁ。な?」
「え、今度?」
下を向いていた いちかがパッと顔を上げて目を丸くした。
いちかを慰める為に口にした"今度"という台詞だったけど、今日じゃなかったらマズかったか?
「うん、まぁ。いちかが次に来る時にでも」
「本当に?」
「お、おう……」
「約束ね、絶対だからね!」
一体、何で次の約束をしてしまってるか分からないけど。
「やぶったらオバサンに言うからね!隠れてエロゲーやってたこと!!」
「おい、ふざけんな!」
元気の無い いちかは見たくなかったし、こんな馬鹿な事言ってても、いちかには笑っていて欲しいと思う。
「これからどうしよっか?」
「これでいいじゃん。水族館で」
壁に貼られたペンギンの写真のポスターを指差せば、いちかの目が一気に輝き出した。