異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
「ジュロドを頼む」
「お任せください!」

 ジェナロが医師に命じると、後方からはひょっこりと侵入者を連行して行ったはずのカイブルが顔を出す。

 慌ただしく兄の元へと向かった医者と入れ替わるように護衛騎士の元へ歩みを進めた父親は、彼に労いの言葉を掛けた。

「閣下。主犯は地下牢に閉じ込めておきました」
「ご苦労だったな」
「お出かけですか」
「ああ。こうも何度もロルティの命を狙われ、愛娘が怯える姿を見るのも忍びない。神殿に乗り込み、黙らせるぞ」
「かしこまりました」

 カイブルはジェナロの腕に抱きかかえられているロルティの姿を目にして何か言いたそうにしていたが、結局彼の言葉は声にならない。

 彼女は父親と護衛騎士、お供の守護犬を連れて神殿へと向かった。
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