異世界から本物の聖女が召喚されたので、聖女見習いの幼女は不要のようです。 追放先でもふもふとパパに溺愛されているので、今更聖女になんてなりません!
「パパよりも先に、ペットを褒めるのか……」
「相手は神獣ですから……」

 自分達も頑張ったのに褒めてくれないのかと不満そうな会話を耳にしたロルティは、視線を父親と護衛騎士に向ける。

(わ、忘れてたわけじゃないよ? あとからちゃんと、言うつもりだったんだから!)

 心の中で言い訳をしながら。
 彼女はとびきりの笑顔を浮かべて告げた。

「カイブルとパパも! ありがとう!」
「ロルティ……!」
「わっ。痛いよパパー!」

 先程まで不貞腐れていたのが嘘のように、ジェナロは愛娘を抱きしめ瞳に涙を浮かべる。そんな親子の姿を目にしたカイブルが、目元を緩めて優しく見守っていた。

「帰るか。ジュロドが待っている」
「うん!」

 公爵家に残してきた兄の名を耳にしたロルティは、元気に返事をしてその場をあとにした。

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