おれは“祓えない退魔師”

第六話

 「……ここが、寮」

 目の前にあるのは、年季の入った立派な大きな屋敷。学校に到着したときにも見たけど、やっぱり学校の敷地内では目立つ。

 「わぁ…立派だね」

 伊都が屋敷を見上げている。小さな口がポカーンと開いていてかわいい。

 「中もええ感じやで~」

 一足先に中に入った東間が、周りを見回しながらのんびりした口調で言う。

 (ここにはさすがに、でないよな……?)

 警戒している俺に、東間がフッと笑って手招きする。

 「そんな心配せんでもええって。万が一の時は、一緒に逝こう。俺ら今日から運命共同体や」
 「逝くって、どこにだよ……?」
 「幽世(かくりよ)(死後の世界)とか?」

 (……っ、もう、いやだー!)

 ぶるぶる震えている俺の頭を、伊都が優しく撫でてくれる。

 「東間くん、からかいすぎだよ」

 伊都は俺の顔をのぞきこんだ。

 「祐くん、大丈夫だよ。みんなで一緒に遊んで、仲良くなればいいから」

 伊都は俺の手を取り、にこっと屈託のない笑顔をうかべている。

 (結局それかー!)

 「ぶっ……!」

 東間が吹き出して、慌てて背を向けた。

< 7 / 37 >

この作品をシェア

pagetop