【電子書籍化】出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
次第に「古代文字の魔導書の解読は、メリネ研究所に頼むのが早くて確実だ」という話が、ハイドの街に広がっていく。となれば、また研究所に依頼がきてアンヌッカが解読し、アンヌッカ自身にも古代文字の読解力が高まっていくという循環ができあがっていく。
だから研究所としてもアンヌッカを手放したくないし、アンヌッカも結婚したからといって大好きな魔導書を取り上げられてしまうのだけはいやだった。
だが縁談が決まったときにもらったライオネルからの手紙には「家名を汚さない程度に、結婚後も好きにしてかまわない」と書いてあったのだ。
そのためアンヌッカは好きに暮らしている。それが魔法研究所での仕事を続けることになるのだが、これはマーレ家の名を汚す行為には該当しないだろう。
そもそも、メリネ魔法研究所に所属する者以外は、アンヌッカが古代文字に長けている事実を知らない。それだけ古代文字が読める人間というのは貴重だからだ。
アリスタもマーカスもアンヌッカの身を案じて、仕事の依頼を受けたときはアンヌッカの名が外に漏れないようにと配慮していた。
アンヌッカも自分の名前が外に出ないことに不満はない。認めてくれる人が身近にいればいいし、なによりも外野とのわずらわしいやりとりはすべて父と兄が引き受けてくれるから、古代文字の研究に没頭できるのだ。
だから研究所としてもアンヌッカを手放したくないし、アンヌッカも結婚したからといって大好きな魔導書を取り上げられてしまうのだけはいやだった。
だが縁談が決まったときにもらったライオネルからの手紙には「家名を汚さない程度に、結婚後も好きにしてかまわない」と書いてあったのだ。
そのためアンヌッカは好きに暮らしている。それが魔法研究所での仕事を続けることになるのだが、これはマーレ家の名を汚す行為には該当しないだろう。
そもそも、メリネ魔法研究所に所属する者以外は、アンヌッカが古代文字に長けている事実を知らない。それだけ古代文字が読める人間というのは貴重だからだ。
アリスタもマーカスもアンヌッカの身を案じて、仕事の依頼を受けたときはアンヌッカの名が外に漏れないようにと配慮していた。
アンヌッカも自分の名前が外に出ないことに不満はない。認めてくれる人が身近にいればいいし、なによりも外野とのわずらわしいやりとりはすべて父と兄が引き受けてくれるから、古代文字の研究に没頭できるのだ。