【電子書籍化】出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
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軍指令本部。
王城と同じ敷地内にあり、軍人である彼らが訓練に励み、常駐している建物だ。
荘厳な王城とは反対の外観は、ごつごつとしてどこか厳めしさがある。その建物の二階の奥にある会議室に、ライオネルの声が響く。
「部外者を入れるのは、言語道断。情報漏洩の危険性が高まる」
「で、ですが……この魔導書は、私たちだけでの解読は難しく……」
「だからって、民間人を頼るのか? おまえたちにプライドはないのか!」
その一言で、室内はシンと静まり返った。
「その魔導書の解読をするのがおまえたちの仕事だろ? 自分の責務を全うしろ」
そこに、パンパンと手を叩きながら割り込む人物がいる。
「はいはい、マーレ少将、落ち着こうか?」
飄々とした口調の男は、その顔を確かめなくても誰であるかなど容易にわかる。
「ゆ、ユースタス王太子殿下……」
軍指令本部。
王城と同じ敷地内にあり、軍人である彼らが訓練に励み、常駐している建物だ。
荘厳な王城とは反対の外観は、ごつごつとしてどこか厳めしさがある。その建物の二階の奥にある会議室に、ライオネルの声が響く。
「部外者を入れるのは、言語道断。情報漏洩の危険性が高まる」
「で、ですが……この魔導書は、私たちだけでの解読は難しく……」
「だからって、民間人を頼るのか? おまえたちにプライドはないのか!」
その一言で、室内はシンと静まり返った。
「その魔導書の解読をするのがおまえたちの仕事だろ? 自分の責務を全うしろ」
そこに、パンパンと手を叩きながら割り込む人物がいる。
「はいはい、マーレ少将、落ち着こうか?」
飄々とした口調の男は、その顔を確かめなくても誰であるかなど容易にわかる。
「ゆ、ユースタス王太子殿下……」