【電子書籍化】出世のために結婚した夫から「好きな人ができたから別れてほしい」と言われたのですが~その好きな人って変装したわたしでは?
「あの、わたしは軍の人間ではありませんので、カタリーナと呼んでください。それが、メリネ研究所でのやり方ですので」
「そ、それは……」
イノンは困ったように周囲を見回した。彼と目の合った者も困惑した様子を見せ、首をふるふると横に振る。
「ディオケル大尉。カタリーナさんがこうおっしゃっているので、我々はそれに従うべきではありませんか?」
セールの言葉にイノンも目を丸くするものの「そ、そうだな」と呟く。
これでなんとか「ホラン様」と呼ばれることだけは回避できた。
そこから研究部に所属する者たちが自己紹介を始める。
軍人といえば、鍛えられた大きな身体、厳つい顔というイメージを持っていたアンヌッカだが、ここにいる者はそのイメージに合わないような人ばかり。メリネ魔法研究所で働いている者たちと、変わりないように見える。
「ではカタリーナさん。荷物をそちらに置いたら、私たちの上官のところに挨拶にいきますので」
「上官? ディオケル大尉がここで一番偉い方ではないのですか?」
「はい。魔法研究部ではそうなのですが。魔法研究部は、王国軍のいくつかある部門のうちの一つなのです。そこの組織構成についてはあまり詳しいことは言えないのですが。とにかく、魔法研究部や他の研究部をとりまとめている方です」
「そ、それは……」
イノンは困ったように周囲を見回した。彼と目の合った者も困惑した様子を見せ、首をふるふると横に振る。
「ディオケル大尉。カタリーナさんがこうおっしゃっているので、我々はそれに従うべきではありませんか?」
セールの言葉にイノンも目を丸くするものの「そ、そうだな」と呟く。
これでなんとか「ホラン様」と呼ばれることだけは回避できた。
そこから研究部に所属する者たちが自己紹介を始める。
軍人といえば、鍛えられた大きな身体、厳つい顔というイメージを持っていたアンヌッカだが、ここにいる者はそのイメージに合わないような人ばかり。メリネ魔法研究所で働いている者たちと、変わりないように見える。
「ではカタリーナさん。荷物をそちらに置いたら、私たちの上官のところに挨拶にいきますので」
「上官? ディオケル大尉がここで一番偉い方ではないのですか?」
「はい。魔法研究部ではそうなのですが。魔法研究部は、王国軍のいくつかある部門のうちの一つなのです。そこの組織構成についてはあまり詳しいことは言えないのですが。とにかく、魔法研究部や他の研究部をとりまとめている方です」