【おまけ追加】塩対応の汐宮先生は新人医局秘書にだけ甘くとける
「ただ、麻痺が右側なので、運転だけはどうにも……」
「運転? ……できますよ?」
「え?」
「もちろんテストを受けなければならないので、確実に出来るとは言えません。
 それに一般車両では無理です。ですが右片麻痺の方でも車両を改造すればできます」
「本当ですか!?」

 両親ともにかなり驚いているようだ。
 おそらく退院後まだ一ヶ月では、鹿島先生から運転免許の説明までされていなかったのだろう。

 高次機能障害はほぼないようだし、見た感じこの父親はかなり回復している。俺なら『可』の診断書を書くだろう。

「……子供たちを乗せて、休日にドライブに出かけるのが唯一の趣味だったんですよ」
「この人、運転が好きでね、麻痺が左だったら良かったのにってずっと言ってたんです」
「次の診察の時にでも、鹿島先生に相談されてはどうでしょうか。条件付き免許証の取得には主治医の診断書も必要になってきますからね」
「そうします。ありがとうございます!」

 ただ送ってきただけなのに、思いがけず話し込んでしまったな。
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