本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
歌い始めればもう止まらない。

なんて気持ちいいの。

楽しい。
振り向けば獅音が微笑んでくれ、他のメンバーも目が合うたび笑顔を見せてくれる。

自然と私の顔にも笑みが浮かぶ。

そしてあっという間に歌い終われば、浴びた事もない拍手喝采の嵐。

あまりの迫力に後ろに倒れてしまいそう。

すると獅音が隣に来たかと思えば私の腰に手を回して引き寄せられると、こめかみにキスが降ってきた。

ちょっと!

と咄嗟に言いそうになったがなんとか堪えて笑顔を作る私。

こんな所で何やってくれちゃってんの!
代わりに心の中で叫ぶ。

「俺の嫁だ」

そして獅音はシンプルに一言そう言った。

おーい。
シンプルー。

嫁だけど。
嫁だけどさ。

歌い終わったら何も話さずにお辞儀をしてステージから下りる事になっているので、私はその通り会場に向かってお辞儀をしてステージから下りた。

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