殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。
「私のために、ごめんなさい」

 眠っているレンデル様を見ながら謝罪をするセレスティンだったが、どうしようもない不安と後悔が襲う。
 目尻に涙が溢れて止まらず、ずっと傍で彼の手を握り締めたままだった。するとシャノンがノックをして部屋に入ってきた。

「シャノン様!?」

「少し休んだら? あなたも大変な思いをして、疲れているでしょう?」

 優しい言葉をかけてくれるが、胸が苦しくて今は辛い。

「……ですが」

「あの子なら大丈夫よ。お医者様も傷が思ったよりも深くないとおっしゃったわ。それに、あなたは、まだやらないといけないことがあるんじゃない?」

 シャノンはセレスティンの肩にブランケットをかけながら、そう言ってくれた。セレスティンは、ハッとする。

(そうだわ……私がレンデル様の代わりにやらないと)

 トリスタンは、現在離宮の地下にある牢屋の中で幽閉したままの状態だ。
 本来ならレンデルが騎士団の部下に指示を出しながらトリスタンに自白剤を使うなりして情報を聞き出さないといけない。
 だが、レンデルが熱で寝こんでいる以上は、誰かがその代わりをやらないといけない。そうなると、今回の事件の事情を詳しく知っている自分しかいないだろう。
 しかし、そんなことをした経験はないし、間近で見たこともない。

「私に出来るかしら?」

 今までやったことのないことに不安になった。チラッとレンデルを見ると、苦しそうに大量の汗をかいていた。
 このまま見ているだけではいけない。

「分かりました。案内してください」

 セレスティンは、決意を固めると、近くにいたメイドの人に案内を頼んだ。
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