姉の代わりにお見合いしろ? 私に拒否権はありません。でも、あこがれの人には絶対に内緒です
「あちらの家は姉妹のどちらでもいいとおっしゃっているから、奈緒の代わりに叶奈がお見合いすれば丸く収まるわ」
考え事をしていた叶奈は、琴子の言葉をうっかり聞きそびれてしまった。
「はい?」
自分の話を聞いていなかったのかと、また琴子がピクリと眉を動かした。
「もう少し待ったら、きっと奈緒は帰ってきますよ、お母さん」
「そんな保証はないでしょ。せっかくのお話なのに、奈緒ったら……」
帰国しない奈緒がわがままだと、琴子は言いたいようだ。
「せっかく叶奈でも構わないって言ってくださっているのに」
崇がなだめても、琴子は頑として譲らない。
「松尾家の孫娘というのが条件だから、この縁談は叶奈でいいのよ」
「こちらの家の都合に、叶奈を巻き込まないでください」
麻子が訴えても、琴子はしらっと言い返す。
「援助してあげたのだから、当然でしょう」
あたりまえだろうと言わんばかりだ。
「あの、そもそもお金ってどういうことですか」
叶奈は一番気になっていることを聞いてみた。