姉の代わりにお見合いしろ? 私に拒否権はありません。でも、あこがれの人には絶対に内緒です
「叶奈は知らなくていいのよ」
「でも、お母さん」
ためらう麻子を無視して、琴子があっさり話してくれた。
「お店を続けるために必要なお金を、崇が援助してあげたの」
「えっ」
叶奈は頭の中が真っ白になった。
「お店? お金って、どうして?」
播磨屋の経営状態が悪いなんて、叶奈は思ってもいなかった。
「事情があってのことだから、叶奈は気にしなくていいの」
麻子は誤魔化そうとするが、琴子ははっきりさせたいらしい。
「土地を買った金額を知れば、この子だって私の言ってることが当然だと思えるでしょう」
「土地? もしかして、借りていた土地を買ったの?」
叶奈の脳裏に駐車場のものすごく広いスペースが浮かんできた。何百坪あるだろうか。
「あれを買ったなんて……」
叶奈が震えているのを見た崇は、さすがに焦り始めたようだ。
「播磨屋に援助すると決めたのは私ですよ。お母さんは口を出さないでください」
琴子は崇を無視して話を続けようとする。
「だって」
「お願いですから、それ以上はおっしゃらないでください!」