姉の代わりにお見合いしろ? 私に拒否権はありません。でも、あこがれの人には絶対に内緒です
パーティーからの帰り道、恭介の車の助手席に乗せてもらった叶奈はすっかり肩の力を抜いていた。
もう恭介の前では、琴子に言われたように上品にしなくてもいだろう。
琴子にはお付き合いをしているように見せかけるわけだが、前よりは精神的に楽になった。
けれど恭介から断ってもらおうと思っていたはずなのに、真逆の方向へ話が進んでしまった。
(もう、なるようにしかならない)
ここまできたら、どうするのが正しいのか叶奈にもわからなくなっていた。
マンションについた頃には、すっかり日が落ちていた。
車を止めてから、ふたりはもう一度確認する。
「来週の土曜日、祖父に会ってくれ」
「わかりました」
「お互いのために、うまくやろう」
「は、はい」
叶奈が降りてドアを閉めたら恭介から声がかかった。
「笑顔がないね」
「楽しくないのに、笑えません」
少し頬を膨らませてに叶奈が答たら、恭介がわざとムッとした顔をする。
「いずれ君は、義理の妹になるんだよ」
仕方なく微笑んだが、おかしな顔だったのか恭介は苦笑を残して帰って行った。
疲れ果てた叶奈は、マンションの部屋に戻るなりベッドに倒れ込んだ。
そのまま眠ってしまったので、翌朝は悲惨な顔になっていた。